2023年上半期は、JTの全PloomTECHシリーズの販売終了に伴う新ブランド「ウィズ2」の発表や、BATのグローハイパーエアの発売など加熱式タバコ業界にも様々な出来事がありました。
本記事では2023年上半期の加熱式タバコ各社の動向を振り返ると共に、2023年下半期の各社動向を予想しています。
2023年上半期どんな出来事があったのか、今後の加熱式タバコ業界がどうなっていくのか気になる方は是非最後までご覧ください!
目次
「加熱式タバコ」2023年上半期のIQOS・Ploom・glo各社の動向まとめ
2023年上半期の加熱式タバコ業界では新デバイスの発表や、タバコスティックの値下げなど様々なニュースが舞い込んできました。
本項では、加熱式タバコを販売している3社の上半期の動向をそれぞれまとめました。
今年の出来事をサクッと知りたい方は、本項を読めば2023年上半期の各社の動向が全て分かります!
フィリップ・モリス・ジャパン(PMJ)
- 【1月23日】テリア ボールド レギュラーが新登場
- 【2月6日】テリア オアシス パールが新登場
- 【3月6日】センティア スムース ゴールドが新登場
- 【4月27日】テリア サン パールが新登場
- 【5月30日】IQOS イルマ WE 2023 限定モデルが販売開始
- 【6月2日】ブレード型IQOS専用たばこの販売終了を発表
加熱式タバコシェアNo.1を誇るIQOSは最新モデルのアイコスイルマシリーズで吸える専用タバコスティックの新発売が、上半期だけで4銘柄と非常に多い印象です。
その背景には6月2日に発表されたブレード型IQOS専用タバコの販売終了が大きく影響しているでしょう。
既に販売終了が発表されている銘柄も多かったブレード型IQOS専用タバコですが、6月2日の発表により2024年1月を目途に在庫がなくなり次第販売が終了となることが決定しました。
日本たばこ産業株式会社(JT)
- 【3月20日】PloomX専用銘柄メビウス8銘柄のリニューアル:値段が500円(税込)へ値下げ
- 【5月22日】「メビウス・ミックス・ミント・メンソール」発売
- 【6月29日】低温加熱式タバコプルーム・テックシリーズの販売終了を発表
- 【6月29日】低温加熱式タバコの新ブランド「ウィズ」と新デバイス「ウィズ2」を発表
JTの上半期の主な発表と言えば、やはり低温加熱式タバコプルーム・テックシリーズの販売終了と新ブランド「ウィズ」の発表になるでしょう。
JTは販売が低迷していたプルームテックシリーズを廃止し、プルームの看板を下ろした低温加熱式タバコの新ブランド「ウィズ」を立ち上げます。
これにより、プルームシリーズはプルームXのみになりますが、プルームXで吸えるメビウスシリーズが70円値下げされるなど、プルームXのシェア獲得にも積極的な動きが見られました。
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン(BAT)
- 【3月31日】gloストア閉店を発表
- 【4月17日】ニコチンゼロの電子タバコ「Vuse Go(ビューズ・ゴー)」を国内テスト販売
- 【5月23日】「glo hyper」用タバコスティック「neo(ネオ)」5銘柄を順次リニューアル
- 【6月5日】KOOL×glo「クール・エックス・ネオ」アイス・メンソールが発売
- 【6月19日】新デバイス「glo hyper air(グロー・ハイパー・エア)」販売開始
- 【7月3日】8月1日からglo hyper用19銘柄の値下げを発表
BATはglo hyperシリーズの新たなデバイス「グロー・ハイパー・エア」を発売しただけでなく、8月1日からglo hyper用の19銘柄を値下げすることを発表し、大きな話題を呼びました。
今回の値下げで、glo hyper用は一部を除いて500円(税込)~450円(税込)で買えるようになり、JTのプルームXで吸えるタバコスティックと値段で並ぶことになります。
また、ニコチンゼロで吸える使い切りタイプの電子タバコ「Vuse Go(ビューズ・ゴー)」の国内でのテスト販売を行うなど、新たな販路拡大にも積極的です。
下半期の「加熱式タバコ」各社の動向はどうなる?
これから先の加熱式タバコ市場の大きなニュースとして、まだ具体的な時期は決まっていないものの、防衛費の拡大による影響でタバコ税の増税が決定しています。
そんな状況の中で、2023年下半期は加熱式タバコの3社は一体どういった動きをみせるのでしょうか。
上半期の動向から2023年下半期の動きを、増税などの業界全体を取り巻く状況に鑑みながら「加熱式タバコ」各社の動向を予想していきます。
PloomX・glo hyper銘柄で値下げ:低価格帯でタバコスティックの競争が激化
8月1日からglo hyper用のタバコスティックが500円(税込)~450円(税込)に値下げされることを受け、低価格帯でのタバコスティックの競争が激しくなるでしょう。
今回の2社の値下げは、タバコ税が1本につき3円・20本入りだと60円の値上げ案が国会で議論されている中で、増税によるタバコ離れを防ぐための施策だと考える声もあります。
JTのブランドマネージャー井上開斗氏の「メビウスの値下げ前は500円(税込)で販売されていたキャメルの方が格段に売り上げが多かった」という発言から読み取ると、ユーザーのニーズは低価格銘柄に集中しているのかもしれません。
JTがPloomを足切り:新ブランド「ウィズ2」で低温加熱式タバコの巻き返しを狙う
高温加熱式タバコに比べ、販売が低迷している低温加熱式タバコはウィズ2の発売でシェアを獲得できるのかに大きな注目が集まっています。
近年の健康志向の高まりから、タールなどの有害がほとんど発生しない低温加熱式タバコが再び注目される可能性はあります。
プルームテックシリーズは吸える専用タバコカプセルの種類が少ないという声が多く上がっていたので、ウィズ2では専用タバコカプセルが何種類発売されるのかがシェア拡大の鍵になるでしょう。
BATが「Vuse Go」をテスト販売:電子タバコという新しいジャンルへの販路拡大の動き
BATが4月に行った「Vuse Go」のテスト販売は加熱式タバコ市場の大きな転換点となる可能性があります。
BATジャパン社長のエマ・ディーン氏はマルチカテゴリー戦略により「Vuse GO」やオーラルタバコなど非燃焼式製品の販売を促進していくと発言しています。
このことから、紙巻きタバコから加熱式タバコへ、加熱式タバコから電子タバコへと健康に悪影響の少ない商品へと市場が移行する流れは今後、更に加速するでしょう。
高級路線を走るフィリップ・モリス・ジャパン(IQOS)も何らかの値下げを行う可能性がある
タバコスティックの値下げを行ったBAT・JTの2社に対して、PMJはアイコスのタバコスティックの値下げを発表していません。
加熱式タバコのシェアでは不動の地位を築いているアイコスですが、今回の値下げにより他社のタバコスティックとアイコステリア580円(税込)は最大130円も値段に差が開いてしまったことになります。
低価格の銘柄が売れている今、アイコスユーザーがglo・PloomXに流れることも考えられます。そうなれば、PMJもなんからの値下げを行う可能性があるでしょう。
2023年上半期のIQOS・Ploom・glo各社の動向・下半期の各社動向の予想まとめ
2023年は2社からタバコスティックの値下げが発表されるなど、ユーザーにとっては嬉しいニュースが舞い込んできた上半期になりました。
やはり気になるタバコ税の増税ついてですが、政府がまだ具体的な発表をしていないことから、2023年下半期に増税される可能性は低いと考えられます。
ユーザーからは唯一値下げを発表していないアイコスの値下げに、より一層注目と期待が集まっています。また、2023年下半期はJTの新ブランド「ウィズ」にも注目ですね!