リトルシガー(葉巻)

葉巻は体に悪い害がある?肺に入れてはいけない理由と肺がんのリスクについて

葉巻は体に悪いのかアイキャッチ画像

皆さんは葉巻に対してどのようなイメージをお持ちですか?葉巻は喫煙方法の違いから紙巻きタバコよりも害が少ないものと考える方が多いかもしれませんが、結論から言うと葉巻が安全とは言い切れません。

なぜなら葉巻は、発がん性物質を含むタバコの葉のみで作られているからです。そのためどのような喫煙方法であっても、これらの物質が肺や他の臓器に取り込まれ、癌、心臓病、肺疾患などの健康問題を引き起こす可能性はあります。

本記事では葉巻と紙巻きタバコの有害性について詳しく比較し、その危険性を徹底解説していきます。

目次

葉巻は本当に体に悪い?紙巻きタバコとどっちが体に悪い害があるのか解説!

葉巻の喫煙イメージ画像

葉巻は紙巻きタバコと比べて害が少ないと言われることがありますが、決してそんなことはありません。

そもそも、葉巻の煙は直接肺に入れられないほど有害性が高く、1本の値段も高いため手軽に吸うことができません。一方で、紙巻きタバコは葉巻を手軽に吸いやすくしたものと言っていいでしょう。

手軽に吸える分、紙巻きタバコの方が依存性・中毒性は高いと捉えることもできますが、葉巻と紙巻きタバコのどちらもニコチン・タールが含まれているため、ニコチン・タールによる害のリスクがあることに変わりありません。

葉巻と紙巻きタバコをお酒のウィスキーに例えると葉巻はストレートで、紙巻きタバコはハイボールです。

ウィスキーのストレートは少しずつ楽しむものですが、ハイボールは飲みやすいように割材で割ってありゴクゴクと飲むことができます。

葉巻もウィスキーのストレートのように少しずつ香りと味を楽しむものですが、紙巻きタバコはニコチンを摂取するという目的が大きいです。

喫煙方法が違うため単純な比較はできない

葉巻は煙を肺に入れない口腔喫煙で楽しむことが一般的ですが、紙巻きタバコは煙を肺に入れる肺喫煙をすることが一般的です。中には葉巻の煙を肺に入れて楽しんでいる方もいますがマネする事は推奨できません。

というのも、葉巻と紙巻きタバコはどちらもニコチン・タールによる害を被る可能性はあるため、どちらの害が大きいかを比較することはできません。

肺喫煙・口腔喫煙にかかわらず、どちらもニコチン・タールによる害のリスクはあると言えます。

葉巻1本に含まれるニコチン・タール量は紙巻きタバコより圧倒的に多い

紙巻きタバコに含まれるニコチン・タール量は健康増進法により表記義務がありますが、葉巻には表記の義務がないため葉巻1本に含まれる正確なニコチン・タール量は分かっていません。

ですが、葉巻はフィルターなどが無く100%タバコ葉で作られているため、フィルターや香料など吸いやすくするための添加物が使用されている紙巻きタバコよりニコチン・タール量は多いです。

下記にあるように葉巻と紙巻きタバコでは大きく異なりますが、葉巻1本に含まれるニコチン・タール量は紙巻きタバコより圧倒的に多くなっています。

紙巻きタバコ、葉巻、その他タバコ製品に含まれるニコチン、発癌物質やその他有毒物質の含有量は、製品によって大きく異なります。紙巻きタバコ(1本に含まれるタバコの葉が1グラム以下)において、乾燥したタバコ1グラム中のニコチン含有量は13.7ミリグラムから23.2ミリグラムです(11)。葉巻(1本に含まれるタバコの葉が20グラム程度)においては、タバコ1グラム中のニコチン量は5.9ミリグラムから335.2ミリグラムまでの幅があります(12)。

出典:海外がん医療情報リファレンス

葉巻の煙は、肺に入れることができないため肺がんのリスクは紙巻きタバコより低いと言われている

葉巻の肺がんのリスクが紙巻きタバコの肺がんのリスクより低いというのは、葉巻を口腔喫煙で楽しむという前提であれば正しいと言えるでしょう。

葉巻を口腔喫煙で楽しんでいるうちに煙に徐々に慣れていき、無意識のうちに少量ずつ肺に煙を入れてしまう方もいますが、葉巻の肺がんのリスクが少ないということではありません。

葉巻の煙は肺に入れることができないため依存性は紙巻きタバコの方が高いと言われている

葉巻の依存性が紙巻きタバコの依存性より低いというのは、葉巻を口腔喫煙で楽しむという前提であれば正しいと言えるでしょう。

ニコチンは依存性の原因となる物質です。肺喫煙は口腔喫煙よりもニコチンが血流に早く吸収されやすいため、ニコチン依存症に陥るリスクが高くなる可能性があります。

また、紙巻きたばこは1本30円程と気軽に吸えるのに対して、葉巻は安いものでも1本1,000円~2,000円程度と高価なものなので、頻繁に吸うには金銭的に難しいといったことも葉巻の依存性が低いと言われている理由かもしれませんね。

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葉巻と紙巻きタバコの吸い方の違いを詳しく解説

葉巻の喫煙イメージ画像2

ここまで肺喫煙・口腔喫煙とご紹介してきましたが、本項では葉巻と紙巻きタバコの吸い方の違いを詳しく解説します。

口腔喫煙は他にも「ふかしタバコ」や「クールスモーキング」と呼ばれたりもします。ふかしタバコと聞くとなんだか少し悪いイメージがあるかもしれませんが、実は健康面でのメリットが多くあるのです。

しかし、口腔喫煙でも少量ながら無意識のうちに煙を吸い込んでしまっているので、口腔喫煙だから肺がんのリスクやニコチン中毒になる可能性は全く無いということではありません。

葉巻は煙を肺まで入れない口腔喫煙

現代の紙巻きたばこが登場する前に一般的なタバコといえば葉巻とパイプでしたが、これらは口腔喫煙で楽しむものだったのです。つまり、本来のたばこの吸い方は口腔喫煙だったともいえるでしょう。

口腔喫煙は煙を肺まで入れずに香りや味を楽しむ喫煙方法です。口腔喫煙は口の中の粘膜からニコチンが吸収されるため、緩やかに体内に取り込まれていきます。そのため口腔喫煙はニコチン依存症になりにくいと言われています。

しかし、有害な煙を長く口の中に留めておくため、口臭の原因になったり口腔癌や歯周病などの病気のリスクが高まることは忘れてはいけません。

紙巻きタバコは煙を肺まで入れる肺喫煙

現代の主流になっている紙巻きたばこは煙を肺まで入れる肺喫煙をしている方がほとんどです。肺喫煙はニコチンの吸収が早くニコチンを静脈注射したときと変わらない、わずか8秒以内に脳に到達します。

そのため、肺喫煙をしているとニコチン依存症やニコチン中毒に陥りやいのです。また、肺が煙に含まれるタールなどの有害物資で真っ黒に汚れてしまい、その結果肺がんのリスクが非喫煙者と比べて4.5倍まで高まってしまいます。

煙を肺まで入れる肺喫煙で楽しむ紙巻きタバコは、もはや香りや味を楽しむといったことよりもニコチンを摂取するという目的のために吸われることが多くなっています。

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葉巻の煙を肺に入れてはいけない理由

葉巻のイメージ画像

ここまでは、葉巻と紙巻きタバコの吸い方の違いについて解説しました。葉巻は煙を肺まで入れない口腔喫煙とご紹介しましたが、それは葉巻の煙が紙巻きたばこの比にならない程濃く有害性が高いためです。

葉巻は紙巻きたばこのようにフィルターなどが付いていないため、ニコチンやタールなどの有害物質を大量に含んだ煙を直接吸い込むことになります。

近頃、SNSなどで「葉巻を肺に入れてみた」のような動画が投稿されていたりしますが、本当に危険なので絶対にマネしないようにしましょう。ごく稀に葉巻の煙を肺まで入れて楽しんでいる猛者もいるようですが……。

葉巻の煙を肺に入れてはいけない理由①:葉巻にはフィルターがない

前述したように葉巻にはフィルターが付いていないため、葉巻の煙を肺に入れるというのは燃焼により発生したタールなどの有害物質をそのまま体内に取り込むことになります。

それは、そのあたりに生えている草を燃やしてその煙を吸い込むのと大きく変わりません。もちろん、これは極端な例ですが想像しただけでむせそうになりますよね。

当然、タバコ葉を燃やしているのでニコチン・タールも大量に発生しているため、取り込んだニコチンによってヤニクラになったりニコチン中毒に陥るでしょう。

葉巻の煙を肺に入れてはいけない理由②:本来葉巻は贅沢品でも香りを楽しむもの

葉巻はたばことしては最も歴史が古い部類に入り、メキシコを中心として古代から親しまれていました。そして、世界的に普及しはじめた19世紀から製法は大きく変わっていません。また、楽しみ方は煙をふかし香りを楽しむのが伝統的な葉巻の吸い方です。

葉巻は本来贅沢品なので湿度管理が必要だったり、専用のケースやシガーカッターなどの道具も必要だったりと、ゆったりと時間と手間をかけて楽しむように作られています。

葉巻をもっと手軽に、もっと安価に楽しめるように開発されたのが現在主流である紙巻きたばこなので、そもそも吸う目的が違うのです。

葉巻の煙と紙巻きタバコの煙の有害性について解説

葉巻の有害性イメージ画像

続いては、葉巻の煙と紙巻きタバコの煙の有害性について合わせて解説していきます。喫煙方法により摂取する有害物質の量に違いはあっても、煙に含まれる有害物質については葉巻も紙巻きたばこもほとんど同じです。

また、どの喫煙方法でも癌などのリスクが高まることは避けられないので、これから葉巻デビューしようとしている方は注意が必要です。

喫煙にはこれからご紹介するリスクだけでなく、心臓病、脳卒中、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など、多くの健康問題を引き起こす可能性があります。

葉巻の煙と紙巻きタバコの煙の有害性①:副流煙による周囲への健康被害

副流煙は喫煙者が吸う主流煙よりも発がん性物質の濃度が高く、肺がん、心臓病、脳卒中、喘息などのさまざまな健康問題を引き起こすリスクがあるとされています。

なお、厚生労働省の調査によると、非喫煙者が副流煙による受動喫煙にさらされていると、肺がん、心筋梗塞、脳卒中、喘息などのリスクが高まることが明らかです。

また、葉巻は紙巻きたばことは比にならない程濃い煙をふかしているので、副流煙による影響も大きくなると考えられています。

受動喫煙との関連が「確実」と判定された肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死症候群(SIDS)の4疾患について、超過死亡数を推定した結果によると、わが国では年間約1万5千人が受動喫煙で死亡しており健康影響は深刻です。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット

葉巻の煙と紙巻きタバコの煙の有害性②:癌のリスク

葉巻や紙巻きたばこの煙には約5,300種類の化学物質が含まれており、その中には約70種類の発がん性物質も含まれています。これらを含んだ煙を吸うと血液を通じて各臓器に運ばれ、DNAに傷をつけてしまい癌の原因となるのです。

また、煙が直接通ることになる肺や食道などはもちろんのこと、煙が直接通っていない臓器の膀胱がんや子宮頸がんのリスクも高くなっているという研究が発表されています。

これらの癌にかかるリスクは喫煙年数が長い程、1日の喫煙本数が多いほど癌になる可能性も高いため、癌のリスクが心配な方は今すぐにでも禁煙を検討するとよいでしょう。

葉巻の煙と紙巻きタバコの煙の有害性③:ニコチンによる依存性

葉巻や紙巻きたばこの煙にはニコチンという有害物質が含まれていて、強い依存性があると言われています。

「ニコチン依存症」とは、血中のニコチン濃度が一定以下になると頭痛やイライラなど不快感を覚え、喫煙を繰り返してしまう疾患です。これはニコチンが脳でニコチンの受容体と結合し、快楽を感じさせる物質であるドーパミンが放出されることが原因とされています。

また、ニコチンはその依存性の高さに注目されがちですが、実は有害性もあり、もし乳幼児が誤ってタバコを飲み込んでしまった場合、例え1本であっても死亡する可能性があります。

さらに、ニコチンは水に溶けやすい性質であるため、たばこ自体の誤飲以上にタバコを漬けておいた液体を誤飲してしまう方が危険です。タバコを消した缶コーヒーなどは絶対に乳幼児の手が届かない場所に置きましょう。

葉巻と紙巻きタバコとどっちが体に悪い害があるのか・葉巻は本当に体に悪いのかまとめ

今回は葉巻と紙巻きタバコとどっちが体に悪い害があるのか、葉巻は本当に体に悪いのか解説しました。葉巻は口腔喫煙で楽しむのが正しいとされていることから、依存性や肺がんのリスクについては紙巻きたばこよりも低いと言われているとのことでした。

しかし、実際は葉巻を口腔喫煙で楽しむといっても無意識のうちに肺に届いてしまっている煙もあり、葉巻なら害が少ないということは一切ありません。

葉巻と紙巻きたばこは単純に比較することは難しいですが、どちらにしてもニコチン・タールによる健康問題を引き起こすリスクを高める恐れはあるため、健康を意識する方は吸わないことが1番と言えます。

この記事を書いた専門家
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伊藤さくら
以前、出版社で編集者として活動していた経験を活かし、タバコの文化、健康への影響、最新の研究結果などを分かりやすく解説。科学的根拠に基づいた情報とバイアスのない視点を大切にし、喫煙者と非喫煙者の両方に有益な情報をお届けします。
【書き出し】ドクターベイプ3の記事(否定以外全出し)
【3連】全記事共通(チルハビットver)(DR.STICK商標否定&ノンニコ否定)
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