本来は法律で禁じられていることですが「未成年で喫煙したことが警察にバレたらどうなる？」と不安になっている方も居るかもしれません。
結論から言うと、未成年喫煙が警察にバレたら監督責任のある親やタバコを販売した店員が罰金を払うことになりますし、喫煙した本人も学校を停学・退学になるリスクがあります。
本記事では未成年喫煙が禁じられている理由や何が悪いのかを法律・健康面のリスクから解説するほか、未成年喫煙に関するよくある質問にも回答しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
未成年喫煙が警察にバレたらどうなるのかを解説！
未成年喫煙が警察にバレたらどうなるのか、逮捕されたり罰金を取られたりする可能性があるのかが気になっている方も少なくないでしょう。
バレたらどうなるかについて結論から言うと、喫煙した未成年者本人ではなく監督責任のある親やタバコの販売者が罰金刑などの警察対応を受けることになります。
喫煙で未成年者が法律で罰せられることはないものの、通っている学校を停学・退学になって希望する進路へ進めなくなるなど取り返しのつかない事態になる可能性も否定できません。
通報などで未成年喫煙が警察にバレたら聴取されて親にも連絡が行く
第三者の通報などで未成年喫煙が警察にバレたら、まずは喫煙を止めるように指導されて氏名・住所・タバコの購入場所・保護者の名前を聴取されます。
聴取の際に持っていたタバコやライターはその場で廃棄させられるか、保護者に預けさせるなどの措置を取った上で一度帰宅させられるケースが多いようです。
当日か翌日以降に少年警察部門の職員から保護者への連絡が行われるため、未成年喫煙が警察にバレたら確実に両親にもバレてしまいます。
未成年喫煙がバレると「親やタバコを販売した人」が罰則・処分などの警察対応を受ける
未成年喫煙がバレたら本人ではなく「親やタバコを販売した人」、つまり責任者が罰則や処分といった警察対応を受けることになるでしょう。
未成年喫煙は「未成年者喫煙禁止法」という法律で禁止されており、親が子供の喫煙を知ってて止めなかった場合は静止義務違反で1万円以下の罰金を払わなければなりません。
未成年者だと知りながらタバコを販売した店員は販売罪で50万円以下の罰金刑に処されることからも、未成年者喫煙禁止法は本人ではなく周囲の大人を対象とした法律とも言えます。
未成年喫煙がバレるとタバコを吸った本人も高校・学校を停学や退学になる可能性がある
未成年喫煙がバレたら法律で罰せられることはなくとも、通っている高校や学校を停学・退学になる可能性があります。
一度の喫煙ですぐに学校を退学させられるケースは稀かもしれませんが、何度注意しても喫煙をやめない様子であれば「退学処分もやむを得ない」という判断になるでしょう。
停学・退学処分となることで自分が思い描く進路に進めなくなったり、他校へ転入学するのが難しくなるなど、自分の将来の大きな足かせになることは言うまでもありません。
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「未成年喫煙禁止法」とはどんな法律？なぜあるのか・いつ発足したのかを解説
未成年喫煙は明治時代に施行された未成年喫煙禁止法で禁じられており、違反した場合は親やタバコの販売者などが罰則を受けることになります。
また、未成年喫煙禁止法については「成人年齢が18歳に引き下げられたけどタバコを吸ってもいいの？」などの疑問点や、分からない部分も多いのではないでしょうか。
ここからは未成年禁止法の詳細・施行された理由・いつ発足したのかの詳細を解説していきます。
未成年喫煙は「未成年喫煙禁止法」という法律で禁止されている
明治33年4月1日から施行された「未成年喫煙禁止法」により、20歳未満によるタバコの購入・喫煙は禁止されています。
すでにお伝えしているように、罰則は喫煙した未成年者本人ではなく監督責任のある親やタバコの販売者が対象です。
未成年喫煙で本人が法的に罰せられることはありませんが、親から叱られたり学校を停学・退学になるといった重いペナルティが科されるケースがほとんどでしょう。
「未成年喫煙禁止法」は未成年が有害物質の影響を受けやすいことから明治時代に制定された
そもそも未成年の喫煙を禁止している理由は、タバコに含まれるタールやニコチンといった有害物質の影響を受けやすいためです。
喫煙で身体が酸欠になることで脳が萎縮する・思考がまとまらなくなる・低身長になる・死亡率が高まるといったデメリットがあるため、喫煙者本人が長期的に苦しむことになるでしょう。
周囲の大人に迷惑をかけるだけでなく、本人が生涯に渡って健康面のリスクを背負うことになるため、未成年喫煙は法律によって固く禁じられています。
民法改正で成年の年齢が18歳以上に変更されても「未成年喫煙禁止法」は20歳未満が対象となる
令和4年4月1日の民法改正により成人年齢が20歳から18歳に引き下げられましたが、未成年喫煙禁止法は現在も20歳未満が対象となります。
つまり「18歳で成人になったから」といってタバコが許される訳ではなく、民法改正後も引き続き20歳未満の喫煙は法律で禁止されているということです。
監督責任のある親や周囲の大人がこの点を誤解していると大きな問題に発展する可能性があるので、「20歳未満の未成年喫煙は許されていない」という姿勢を崩さないようにしなければなりません。
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未成年喫煙は何が悪い？高校生などの喫煙が危険な理由を解説
そもそもなぜ未成年の喫煙が禁止されているのか、未成年喫煙するとどうなるのかを具体的に説明できないという方も少なくないのではにでしょうか。
未成年喫煙が禁止されている理由としては、10代でタバコを吸うことは体の成長を止めるだけでなく、ニコチンへの依存度を高め他の薬物に手を出すきっかけになるなど、長期的な悪影響が山ほどあるからです。
ここからは未成年喫煙すると身体がどうなるのか、どのようなリスクがあるのかといった具体的なデメリットを解説していきます。
未成年喫煙によってタバコを吸い始めた時期が早いほどニコチンへの依存が強くなる
未成年喫煙してはいけない理由1つ目は、タバコを吸い始めた時期が早いほどニコチン依存が強くなるからです。
平成10年に旧厚生省が行った実態調査により、20代に入ってタバコを吸い始めた喫煙者よりも10代の未成年喫煙者の方がニコチン依存度が高いことが分かりました。
ニコチン依存が強くなるほどタバコをやめられなくなり、健康面のリスクが増大してしまうだけでなく、シンナー・アルコール・覚醒剤などを始めるきっかけになりやすい点も懸念されています。
未成年喫煙は「息切れ・集中力の低下・低身長」になる可能性が高い
未成年喫煙してはいけない理由2つ目は、息切れや集中力が低下するほか低身長になる可能性が高いからです。
タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があり、酸素が脳に行き渡りにくい状態になるため、うまく思考ができない・集中できないなど頭の回転に悪影響が出てくるでしょう。
酸素が体に行き渡らず栄養素が届きにくくなると、低身長で成長が止まるなど人生に長期的な影響を及ぼすため、後悔する前にタバコをやめなければなりません。
未成年喫煙には好奇心に釣り合わないデメリットが多い
未成年喫煙してはいけない理由3つ目は、好奇心に釣り合わないデメリットが多いことです。
多くの未成年喫煙者は友人や先輩からの誘い・マンガや映画の影響など、ちょっとした好奇心がきっかけでタバコを吸い始めています。
しかしタバコは成長への悪影響・思考力の低下・発がんリスクの増大など、好奇心に対してデメリットが大きすぎるため、大人になってから後悔している人が非常に多いことを知る必要があるでしょう。
未成年喫煙によって病気の危険度が高くなる理由
未成年喫煙は心臓や脳の病気の罹患率が高まるほか、非喫煙者と比べて死亡率が5.5倍になるといったデータがあることから、いかにタバコが未成年にとって悪影響であるかが分かります。
また未成年の女性がタバコを吸うと依存度が高くなり、妊娠後も禁煙できず赤ちゃんにも悪影響が及ぶなど、長期的な悪影響が出てしまうことも未成年喫煙の特徴です。
ここからは未成年喫煙すると本人の身体はどうなるのか、タバコの健康リスクに焦点をあてて確認していきましょう。
未成年喫煙の方がタバコが原因の病気の危険度が高い
未成年喫煙で病気の危険度が高くなる理由1つ目は、タバコを原因とする病気のリスクが高まるからです。
厚生労働省のホームページに記載されている情報によると、10代の青年期に喫煙を開始すると成人して喫煙し始めた人よりも虚血性心疾患やがん罹患率が高まるとされています。
また、未成年者が喫煙した場合の死亡率は非喫煙者の5.5倍になることが分かっており、未成年の身体にタバコがどれだけ有害であるかをこれらのデータが物語っています。
未成年喫煙から呼吸ができない等の深刻な病気に発展する可能性もある
未成年喫煙で病気の危険度が高くなる理由2つ目は、呼吸ができない等の深刻な病気に発展する可能性があるからです。
とあるヘビースモーカーの方はCOPD(慢性閉塞性肺疾患)を発症し、呼吸もままならず「陸の上で溺れるような苦しみ」を味わい続けて、喫煙したことをひどく後悔しながら亡くなりました。
肺は比較的余力の多い臓器のため「気付いたときにはすでに手遅れ」というケースも珍しくなく、喫煙したことを後悔しながら息ができない苦しみを味わい続ける可能性があります。
未成年喫煙によって妊娠した時にタバコをやめられない妊婦も増えている
未成年喫煙で病気の危険度が高くなる理由3つ目は、妊娠してもタバコをやめられない可能性があるからです。
記事内で解説したように、未成年喫煙はニコチンへの依存度が高くなるため、赤ちゃんに悪影響があると分かっていてもタバコがやめられない未成年喫煙者の妊婦も少なくありません。
妊婦が喫煙すると早産や低体重児のリスクがあるだけでなく、乳幼児突然死症候群を発症するおそれもあり、深刻な受動喫煙問題となっています。
未成年がタバコを吸い始めた理由とは？きっかけや未成年喫煙率・割合を紹介
20歳未満の喫煙は法律で明確に禁じられていますが、停学や退学のリスクがあると知りながら、なぜ未成年喫煙に走ってしまうのか理由が気になるところです。
喫煙者に対するアンケートによると「好奇心から軽い気持ちで手に取った」と回答した方が多く、周囲からの影響や環境が大きく関係していることが分かりました。
ここからは未成年がタバコを吸い始めたきっかけ・未成年喫煙率と割合について紹介していきます。
未成年喫煙のきっかけには「好奇心」「友達に勧められた」という理由が多い
未成年喫煙のきっかけとしては「好奇心」「友達に勧められた」という理由が多く、喫煙するとどうなるかデメリットをちゃんと考えた上でタバコを吸うケースは少ないようです。
喫煙者を対象としたアンケートでは「誰の影響でタバコを吸い始めたか？」という質問に対して、2人に1人が「友人」と回答しています。
喫煙するとどうなるか後先を考えずに、「みんな平気だから自分も問題ない」と思う未成年喫煙者に対して、どのように説得してやめさせるかが大きな問題点となっています。
未成年喫煙率・割合は未成年全体の約10％
すべての未成年のうち何％がタバコを吸った経験があるのかを調査したアンケートによると、全体の10％が未成年喫煙の経験者であることが分かっています。
30人のクラスがあれば3人は未成年喫煙を行っているということであり、そのように考えると「たった10%」とはいえない数字です。
未成年喫煙者の健全な成長を促すためにも、親や学校の先生など周囲の大人が全体で見守り、未然に防止しなければならない問題だと言えるでしょう。
喫煙者全体から見て約20％が未成年喫煙となっている
喫煙者全体で見た場合は約20％が未成年喫煙者となっており、喫煙者の5人に1人が未成年喫煙であることが分かりました。
また、男女それぞれの喫煙率は男性19％、女性4.3％で未成年喫煙者の多くが男性であることも分かっています。
喫煙者の5人に1人が未成年という状況は、社会全体で解決しなければならない大きな問題のひとつと言えるでしょう。
| 喫煙率 | 総数 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|
| 成人 | 66.2% | 52.8% | 13.4% |
| 未成年 | 23.3% | 19.0% | 4.3% |
未成年喫煙に関する4つの質問に回答！
ここまで未成年喫煙が警察にバレたらどうなるのか、未成年喫煙してはいけない理由や法律の詳細などを解説してきました。
記事を読まれた方の中には「未成年喫煙を見つけたらどこに通報したらいい？」「未成年でも禁煙外来を受診できる？」といった疑問が出てきた方もいるのではないでしょうか。
最後に未成年喫煙を見つけた場合の対応や禁煙外来の受診といった4つの質問に回答していくので、ぜひ参考にしてみてください。
- 未成年喫煙を見つけたらどこに通報すべき？
- 未成年と知らずにタバコを売った場合は捕まる？
- 未成年の従業員が喫煙していたら会社に責任はある？
- 未成年でも病院の禁煙外来を受診できる？
未成年喫煙に関する質問①：未成年喫煙を見つけたらどこに通報すべき？
未成年喫煙を見つけた場合は管轄している交番などに通報して、警察に対応を任せることをおすすめします。
中には「未成年に直接お店を聞き出して通報すべき」との意見もありますが、未成年に直接アクションを取ることはあまりおすすめできません。
直接注意したり販売店を聞き出そうとするとトラブルになってしまう可能性もあるので、そのような不安がある場合は警察に聴取やその後の対応を任せた方が良いでしょう。
未成年喫煙に関する質問②：未成年と知らずにタバコを売った場合は捕まる？
未成年であると知らずにタバコを販売してしまった場合は、警察に捕まることなく無罪になるケースもあります。
実際に香川県のローソンで未成年にタバコを販売した店員の事例では、ニキビ跡や表情から「購入者は明らかに未成年と分かる顔立ちをしている」として、罰金10万円の有罪判決となりました。
しかし2審では「店員が青年の顔を確認できたのはわずかな時間だった」とし、一転して無罪判決となっています。
未成年喫煙に関する質問③：未成年の従業員が喫煙していたら会社に責任はある？
未成年の従業員が喫煙していた場合に会社が行うべきことは、「未成年喫煙は法律違反である」と断固とした態度で伝えてただちにタバコを止めさせることです。
社内で法律違反に該当する行為を行うのであれば「懲戒解雇」つまり重い処分の上で会社をクビになってもおかしくありません。
会社内に未成年喫煙者が居れば監督責任者が罰せられるため、「会社に迷惑をかける行為」であることをしっかり説明する必要があるでしょう。
未成年喫煙に関する質問④：未成年でも病院の禁煙外来を受診できる？
未成年者でも病院の禁煙外来を受診することは可能ですし、受診したことが学校や職場にバレることはありません。
医療機関は患者のプライバシーを守る守秘義務があるため、未成年者の喫煙者が受診したことを警察や学校へ通報することは許されていないからです。
しかし、親から貰った健康保険証を使って内緒で通院した場合は、保険料を支払っている人に医療費の通知が届くため禁煙外来に通ったことがバレる可能性があります。
未成年喫煙が通報で警察にバレたらどうなる？警察対応や罰則で親や学校にバレるのか・法律上何が悪いのかまとめ
この記事では未成年喫煙が警察や学校にバレたらどうなるのか、法律で禁止されている理由や健康面のデメリットについて詳しく解説しました。
未成年喫煙がバレたら親や学校に連絡されるだけでなく、タバコの販売者や監督責任者が法律違反で罰則を受けることになり、喫煙者本人は学校を停学・退学になる可能性もあるでしょう。
健康面においても心臓や脳の病気に罹る可能性や死亡率が高まってしまうので、安易に手を出してはいけませんし、友達がタバコを吸おうとしたら止めてあげるのも優しさです。
