誰もが一度は使ったことがあるライターですが、使わなくなった場合の捨て方が分からなくて、困っている方も多いのではないでしょうか?
結論から言うと、ライターの捨て方は自治体によって異なり、ガス抜きなどの処理をしなければ火災などの事故に繋がる可能性もあるため、注意しなければいけません。
本記事では、中身ありのライターの正しい捨て方をご紹介するとともに、誤って燃えるゴミに捨ててしまった場合の危険性や、ライターの液体の正体についても解説します!
目次
中身ありのライターの正しい捨て方
中身ありのライターの捨て方については自治体によって様々な規定があり、万が一誤った捨て方をしてしまうと、火災などの事故に繋がる可能性もあります。
本項目では、中身ありのライターの正しい捨て方と、燃えるゴミとして捨ててしまった場合の危険性についてご紹介していきます。
なお、本項目でご紹介する内容はあくまで一例となりますので、ライターを捨てる際には自分が住んでいる自治体のホームページなどを確認し、正しく処分するよう心掛けましょう。
自治体の規定に準じて捨てる
上でもご紹介した通り、中身ありのライターの捨て方は自治体によって異なり、細かい規定が定められています。
一般的にはガス抜きをする必要があるケースが多く、東京都の品川区や港区のように他のゴミとは別の袋で出さなければならない場合や、袋に「キケン・中身入り」などの表記が必要な場合もあります。
また、捨て方に関しても、横浜市や名古屋市・福岡市のように「燃えるゴミ・可燃ゴミ」として出す自治体や、さいたま市のように「有害危険ごみ」として出さなければならない自治体など様々です。
エリア | 排出日 | 備考 |
---|---|---|
品川区 | 陶器・ガラス・金属ゴミの日 | ・他のゴミと分けて別の袋で排出 ・中身が入っている場合は「中身入り」と記載 |
港区 | 不燃ごみの日 | ・ガスを抜いて別の袋で排出 |
東村山市 | 有害物の日 (「びん・かん」と同じ日) |
・別の透明・半透明の袋に入れて排出 |
府中市 | 危険ゴミの日 | ・カゴなどの容器に入れるか、透明・半透明の袋に入れて中身は出し切るか「中身入り」と明記 |
八王子市 | 有害ごみの日 | ・中身を使い切って透明・半透明の袋に入れて排出 |
自治体に設置しているライター専用の回収ボックスに捨てる
自治体によっては、火災などの発生を防ぐために、無料でライターを回収するボックスが設置されている場合があります。
一例を挙げると、兵庫県加古川市では市役所や市民センター・公民館にライター専用の回収ボックスが設置されており、燃料が残っていない使用済みのライターを回収しています。
回収ボックスへの捨て方も自治体によって異なるため、詳しくは各自治体のホームページなどを確認しましょう。
中身ありのライターを燃えるゴミとして捨ててしまった場合の危険性
自治体の規定を守らずに、中身ありのライターを燃えるゴミとして捨ててしまった場合には、火災などの事故を引き起こす危険性があります。
実際に宮城県仙台市などでは、中身ありのライターを燃えるゴミとして捨てたことで、ゴミ収集車がゴミ袋を圧縮した際に着火装置が押されて発火し、車両が燃えるという事故が発生しています。
ゴミ収集車の火災事故が発生すると、作業員の方はもちろんですが周辺の住居にも危険が及ぶ可能性があるため、ライターを捨てる際は必ず自治体の規定を守りましょう。
ライター別の正しいガス抜き方法
冒頭でもご紹介しましたが、安全にライターを捨てるためにはガス抜きが重要となります。
また、ライターには様々な種類が存在し、ガス抜きの方法もライターの種類毎に異なるため注意が必要です。
本項目では、主要な3種類のライターのガス抜き手順を詳しく解説しますので、自分が捨てようとしているライターの正しいガス抜きの方法をチェックしておきましょう。
- 100円ライターの場合
- ジッポライターの液体(オイル)が残っている場合
- ライター用ガスボンベの場合
ガス抜き方法①:100円ライターの場合
使い捨ての100円ライターは、火の気のない風通しの良い場所で、操作レバーをテープや輪ゴムなどで押し下げたまま固定して、半日~1日程度放置することでガス抜きが可能です。
シューという音が出ていればガスが抜けている状態となりますが、レバーを最後まで押し下げても音が出ない場合は、火力の調整レバーを最大にしてみてください。
最後に着火操作をしてみて、火が点かなければガス抜きは完全に終了となります。
ガス抜き方法②:ジッポライターの液体(オイル)が残っている場合
ガス注入式のジッポライターを捨てたい場合は、ガス抜きの手順として、まずライターの底のガス注入口のフタを外します。
次にガス注入口の先を、爪楊枝や細いドライバーなどで約1分~約3分程度、シューという音が出なくなるまで押し続けます。
最後に着火操作をして、火が点かなければガス抜きは完了ですが、まだ火が点くようなら再度上記の作業を繰り返してみてください。
また、液体(オイル)を綿に染み込ませるタイプのライターは、綿と芯を抜いて風通しの良い場所に置くだけで液体が揮発するため、試してみてください。
ガス抜き方法③:ライター用ガスボンベの場合
ライター本体だけではなく、ガスライター用のガスボンベを処分する際にも、ガス抜きをする必要があります。
ガスボンベのガス抜き手順は、風通しの良い場所でボンベの先端を下に向けて、斜めに地面に押し付けてシューという音がしなくなるまでガスを噴出させるだけです。
最初は勢いよくガスが噴出するため地面に液化したガスが付着しますが、すぐに気化するため安心してください。
ライターのガス抜きに関する注意点
中身ありのライターに入っている可燃性のガスは、正しく取り扱わないと発火や爆発の危険性があるため注意が必要です。
本項目では、中身ありのライターのガス抜きをする際に、気を付けるべき5つのポイントをご紹介します。
守らなければ命に関わることもあるため、これからライターのガス抜きをする予定の方は、本項目をチェックしてから行うことをおすすめします。
- 安全な場所と適切な服装で行う
- ライターの分解やハンマーで叩くことをしない
- ガスを吸い込まない
- ライターの金属部分には触らない
- 気分が悪くなったら即作業を中止する
注意点①:安全な場所と適切な服装で行う
1つ目にご紹介する、液体(オイル)が入ったライターのガス抜きに関する注意点は「安全な場所と適切な服装で行う」ことです。
ライターのガスは空気よりも重いため下に滞留しやすく、風通しの悪い屋内でガス抜きを行うと発火や吸引事故の危険性が高まるため、火の気のない安全な屋外で行いましょう。
またガス抜きを行う際の服装は、静電気による発火を防ぐために静電気が発生しにくい素材の服を選び、可能であれば静電気除去グッズを着用するとより安全です。
注意点②:ライターの分解やハンマーで叩くことをしない
2つ目にご紹介する、液体(オイル)が入ったライターのガス抜きに関する注意点は「ライターの分解をしない・ハンマーで叩かない」ことです。
ガスや液体(オイル)が入った状態でライターを分解すると、摩擦や電化製品のほかストーブなどの影響で引火する恐れがあるため、おすすめしません。
また、ガス抜きがめんどくさいという理由でライターをハンマーで叩いて割って捨てようとする方も居ますが、爆発や引火の危険性があるため、必ず正しい手順でガス抜きを行いましょう。
注意点③:ガスを吸い込まない
3つ目にご紹介する、液体(オイル)が入ったライターのガス抜きに関する注意点は「ガスを吸い込まない」ことです。
ライターのガスを大量に吸い込むと、急激な酸素欠乏や窒息を引き起こす危険性があり、最悪の場合は命に関わることもあるため注意が必要です。
前項でもご紹介した通り、中身ありのライターのガス抜きをする際は、風通しの良い屋外で行うようにしましょう。
注意点④:ライターの金属部分には触らない
4つ目にご紹介する、液体(オイル)が入ったライターのガス抜きに関する注意点は「ライターの金属部分には触らない」ことです。
ガス抜きをするとライターの中身の液体が気化して外に出るため、気化熱によってライターやガスボンベの金属部分が冷却されることで非常に低温となります。
低温となったライターの金属部分に触れてしまうと、水分を介して皮膚が部分的に凍る危険性があるため、ガス抜きの際は特に金属部分には触れないように注意しましょう。
注意点⑤:気分が悪くなったら即作業を中止する
5つ目にご紹介する、液体(オイル)が入ったライターのガス抜きに関する注意点は「気分が悪くなったら即作業を中止する」ことです。
注意してガス抜きを行っていても、自分が気付かないうちにガスを吸い込んでしまっている場合があります。
ガス抜きの最中に強い臭いを感じたり、少しでも気分が悪くなったりしたらその時点で作業を中止して、症状の度合いによっては医療機関を受診しましょう。
オイルが使い切れない・ガス抜きがめんどくさい・ガス抜きできない場合の処分方法
前項でご紹介した通り、液体やオイルが入った中身ありのライターは、正しくガス抜きを行わなければ危険な場合があります。
本項目では、前項を読んで上手くガス抜きをする自信がない方やガス抜きがめんどくさい方に向けて、捨てる以外にライターを処分する5つの方法をご紹介します。
自分でガス抜きできない場合はプロに任せる方法もありますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 買取専門業者に買い取ってもらう
- 不用品回収業者に回収してもらう
- 喫煙者に譲る
- ガスバーナーとしてキャンプや仏壇などで使う
- フリマアプリやオークションで売る
処分方法①:買取専門業者に買い取ってもらう
1つ目にご紹介する、ガス抜きできない場合のライターの処分方法は「買取専門業者に買い取ってもらう」ことです。
ブランドもののライターや、限定品のライターは中古市場でも需要が高いため、買取専門業者によっては思いもよらない高値で買い取ってくれる場合があります。
残念ながら、使い捨ての100円ライターは買取りして貰えない場合がほとんどですが、高級ライターを処分したい方は、捨てる前にライター専門店やリサイクルショップに一度査定を依頼してみてはいかがでしょうか?
処分方法②:不用品回収業者に回収してもらう
2つ目にご紹介する、ガス抜きできない場合のライターの処分方法は「不用品回収業者に回収してもらう」ことです。
ライターを大量に処分したい場合や、大掃除などでライター以外のゴミも同時に処分したい場合には、不用品回収業者の利用をおすすめします。
不用品回収業者に処分を依頼する場合は、ライターのガス抜きや分別の必要がないため非常に便利ですが、回収してくれる量や値段は業者によって異なるため、事前に電話等で問い合わせましょう。
処分方法③:喫煙者に譲る
3つ目にご紹介する、ガス抜きできない場合のライターの処分方法は「喫煙者に譲る」ことです。
紙巻きタバコを吸っている方にとっては、ライターは何個あっても困らないため、家族や友人・知人に喫煙者が居る場合は譲ると喜ばれるでしょう。
また勤務先に喫煙所がある場合は、喫煙所の中や前に自由に持って帰れるように置くこともおすすめですが、トラブル防止のために必ず会社の許可を取ってから行いましょう。
処分方法④:ガスバーナーとしてキャンプや仏壇などで使う
4つ目にご紹介する、ガス抜きできない場合のライターの処分方法は「ガスバーナーとしてキャンプや仏壇などで使う」ことです。
不要なライターの使い道として、使い捨てライターをセットしてガスバーナーとして使用できる「ポケトーチ」という製品が便利なので、キャンプやバーベキューが趣味の方は購入を検討してみてはいかがでしょうか?
また、自宅に仏壇がある方は、線香やろうそくに火を点ける際に必要になる場合も多いため、ライターを常備しておくと良いでしょう。
処分方法⑤:フリマアプリやオークションで売る
5つ目にご紹介する、ガス抜きできない場合のライターの処分方法は「フリマアプリやネットオークションで売る」ことです。
メルカリやヤフーオークションなど、個人間での取引が可能なフリマアプリやネットオークションではライターの出品が可能で、前述した買取専門業者の査定で値段がつかなかった商品でも売れる場合があります。
ただし、フリマアプリやネットオークションで出品可能なライターは、安全面に配慮された製品の証明である「PSCマーク」が付いているものに限られるので注意しましょう。
ライターの処分に関するよくある質問
ここまで、ライターの処分方法について詳しくご紹介しましたが、ライターを捨てるためには様々な点に注意しなければならないことが分かりました。
最後に本項目では、ライターの処分に関する2つのよくある質問に回答します。
本項目の質問と回答を読んで、ライターの処分方法について知っておけばより安全にライターが捨てられるため、ぜひ参考にしてみてください。
- ライターを捨てるときは水に浸してから捨てる?
- ライターの中の液体は何?
質問①:ライターを捨てるときは水に浸してから捨てる?
1つ目に回答する、ライターに関する質問は「ライターを捨てるときには水に浸してから捨てる?」です。
ガス抜きをしたライターでも、内部には微量にガスや液体(オイル)が残っている場合があるため、水に浸してから捨てた方がより安全に処分が可能です。
また、ライターを捨てる際には水に浸すことを推奨している自治体もあり、例として宮城県仙台市のホームページには、ライターの捨て方に関して以下の文章が記載されています。
中のガスを使い切って、水にしっかり浸して、濡れた状態のまま家庭ごみ指定袋に入れて出してください。
出典:宮城県仙台市
質問②:ライターの中の液体は何?
2つ目にご紹介する、ライターに関する質問は「ライターの中身の液体は何?」です。
ガスライターの中身は液化ブタンガスと呼ばれる液体で、常温・常圧下ではガスですが、沸点が-1℃という特徴があり少しの圧力で液体となるため、液体の方が多くの燃料を詰め込めるライターには適しています。
ブタンは極めて燃えやすく引火性が高い物質で、温度の上昇によって膨張して容器が爆発する可能性があるため、取り扱いには注意が必要です。
オイル(液体)が使い切れない方は必見!中身ありライターの捨て方とガス抜き方法まとめ
本記事ではライターの液体(オイル)が使い切れない方に向けて、中身ありのライターの捨て方とガス抜き方法や、注意点について詳しく解説しました。
ライターは自治体によって様々な規定が存在しており捨て方が異なるため、自分の住んでいる自治体のホームページなどを確認して、自治体の規定に準じて処分する必要があります。
また、高級ライターやブランド物のライターを処分したい方は、捨てるよりも売った方がお得な場合もあるため、買取専門業者やフリマサイト・ネットオークションなどをチェックしてみましょう。