最近では「ドブ臭い」と揶揄されることも多いタバコが原因の口臭ですが、どれくらいで消えるのでしょうか。
結論から言うと、タバコを吸った後の口臭は約45分から1時間程度持続するとされており、タバコが原因で歯周病になった場合はドブ臭い口臭が永続的に続くとも言われています。
本記事ではタバコの口臭を消す方法を始めとして、口臭を増長させる食べ物や口臭のメカニズムやタバコによる口臭が「ドブ臭い」と言われる理由についても分かりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
タバコが原因の口臭はどれくらいで消えるのか?口臭を消す方法をご紹介
タバコを吸っている本人は喫煙終了から10分程度で臭いが無くなっていると思いがちですが、タバコの臭いの持続力は非常に高くすぐには消えてくれません。
しかし、歯ブラシを始めとする様々なオーラルケアグッズを効率的に使用すれば、スムーズな口臭ケアが可能です。
タバコが原因の口臭がどれくらいで消えるのかを分かりやすく解説し、口臭を消す方法についてもご紹介しますので、タバコによる口臭が気になる人はまずはここでご紹介する5つの方法を実践してみてください。
- 歯磨きをしてタバコのヤニを取り除く
- 舌ブラシで舌の表面の汚れを除去する
- マウスウォッシュで口腔内を殺菌する
- うがいや水分補給で唾液の分泌を促す
- タブレットやガムで一時的に消臭する
タバコが原因の口臭は喫煙後45分~1時間ほど持続する
タバコが原因の口臭は喫煙後45分から1時間ほど持続すると言われています。
たばこによる口臭は、喫煙後45分~1時間程度も続いてしまう可能性があります。ミント系などリフレッシュ効果の高いタブレットを食べて、臭いを消すように努めましょう。出典:QleanAir
ニコチン・タール・一酸化炭素といった成分がタバコによる口臭の主な原因とされており、他にも400種類以上の臭い成分が含まれていますので、タバコを吸い続ける限り口臭から逃れることはできないと言えるでしょう。
また、タバコの有害物質によって引き起こされる歯周病や虫歯なども口臭に繋がるため、タブレットやガムといった臭いケアだけでなくこまめな歯磨きが大切です。
タバコが原因の口臭を消す方法①:歯磨きをしてタバコのヤニを取り除く
タバコが原因の口臭を消す方法として、最も定番かつ一般的とされている方法が歯磨きです。
こまめに歯磨きをすることはもちろんですが、最近では口臭対策やタバコのヤニ汚れに特化した歯磨きペーストも販売されていますので、そういったアイテム選びもポイントと言えるでしょう。
また、ブラッシングだけでは落としきれないヤニ汚れや歯垢を除去するためには、口臭の原因となる虫歯や歯周病予防にも繋がる歯間ブラシやデンタルフロスもおすすめです。
タバコが原因の口臭を消す方法②:舌ブラシで舌の表面の汚れを除去する
舌ブラシで舌の表面に付着している舌苔(ぜったい)を除去することも口臭を消す方法の1つです。
非喫煙者の舌苔は飲食や歯磨きなどでも落ちやすいですが、喫煙者の舌苔はタールを帯びて粘度が高くなっているため、ブラッシングなどで意識して除去する必要があります。
歯ブラシで舌のブラッシングを行うと表面の組織を傷付けてしまうリスクがありますので、舌ブラシと舌専用クリーナーを併用する「舌磨き」が最適解と言えるでしょう。
タバコが原因の口臭を消す方法③:マウスウォッシュで口腔内を殺菌する
タバコによる口臭を消す方法としてはマウスウォッシュもおすすめです。
中でも薬用成分を配合したものが特におすすめで、口臭の原因となる細菌の繁殖を抑えるだけでなく、唾液分泌の促進やニコチンによって乾燥しやすくなっている口内や歯茎の保湿も行ってくれます。
またマウスウォッシュは大きく2種類に分類されており、歯磨きペーストの代わりに使用するなら「液体歯磨き」、ブラッシングやフロスなどでのケアを行った後の仕上げに使用するなら「洗口液」という表示のものを選ぶと良いでしょう。
タバコが原因の口臭を消す方法④:うがいや水分補給で唾液の分泌を促す
タバコが原因の口臭を消す方法として、こまめなうがいや水分補給で唾液の分泌を促すことも大切です。
タバコを吸うとニコチンの効果で唾液の分泌が抑制されて口臭の原因となる細菌が繁殖しやすくなりますので、うがいや水分補給で意識的に口内を潤してあげることで口臭予防に繋がります。
また、うがいや水分補給によってタバコの有害物質や細菌を洗い流す効果も望めるため、歯磨きが出来ない時の応急処置にもおすすめと言えるでしょう。
タバコが原因の口臭を消す方法⑤:タブレットやガムで一時的に消臭する
歯磨きが出来ない時はタブレットやガムで一時的に消臭するのも1つの手段です。
タブレットやガムはミント系の爽やかな香りで口内がすっきりするだけでなく、噛む動作によって唾液の分泌も促されますので、タバコが原因の口臭に対して理に適ったケアと言えます。
最近では一般的なミントタブレットよりも口臭へのアプローチ力が高い舌用のタブレットも販売されていますので、外出先で手軽に口臭を消す方法として覚えておくと良いでしょう。
タバコが原因の口臭を悪化させる可能性のある食べ物・飲み物をご紹介
続いては、タバコが原因の口臭を悪化させる可能性のある食べ物や飲み物をご紹介していきます。
「タバコとコーヒーの組み合わせは最強!辛い物を食べた後のタバコは最高!」といったように、タバコを吸う時に食べ物や飲み物との組み合わせを楽しむ人は多いかと思われますが、その組み合わせが口臭を悪化させているかもしれません。
今回はタバコが原因の口臭悪化に繋がる4種類の食べ物・飲み物について解説しますので、普段の食事選びや外食時のお店選びにお役立てください。
- 香辛料
- 乳製品
- アルコール
- カフェイン
タバコが原因の口臭を悪化させる食べ物・飲み物①:香辛料
まずご紹介するタバコとの組み合わせで口臭を悪化させる食べ物・飲み物は「香辛料」です。
特に注意すべきはニンニクとネギ類で、生ゴミ臭の主成分でもあるメチルメルカプタンや口臭・体臭の原因にもなる硫化アリルが含まれていますので、タバコの臭いが合わさることによってより不快感を与える可能性が高いと考えられます。
中でもネギ類は歯の隙間に残りやすく、通常の歯磨きだけでは落ちづらいため、ネギ類を食べた後は歯間ブラシやデンタルフロスを併用したケアを心掛けましょう。
タバコが原因の口臭を悪化させる食べ物・飲み物②:乳製品
次にご紹介するタバコとの組み合わせで口臭を悪化させる食べ物・飲み物は、牛乳やチーズなどの「乳製品」です。
牛乳は口臭成分をカバーしてくれそうなイメージもありますが、乳製品に含まれるタンパク質には硫黄成分が多く含まれており、それが口内で分解されることによって口臭に繋がります。
「腐った卵の臭い」と揶揄される硫黄と「ドブの臭い」と揶揄されるタバコの口臭と組み合わせは想像するだけでも厳しいので、牛乳やチーズなどを摂取した後の喫煙は控えましょう。
タバコが原因の口臭を悪化させる食べ物・飲み物③:アルコール
続いてご紹介するタバコとの組み合わせで口臭を悪化させる食べ物・飲み物は「アルコール」です。
タバコを吸うとニコチンの効果で唾液の分泌が抑えられ、アルコールの分解には体内の水分が使用されるため、タバコとアルコールの相乗効果によって口臭が発生しやすい乾燥状態を作り上げてしまいます。
乾燥状態を防ぐには水やソフトドリンクなどで適度に水分を補給することが大切ですので、お酒とタバコを組み合わせる時は水などを横に置く習慣を付けましょう。
タバコが原因の口臭を悪化させる食べ物・飲み物④:カフェイン
最後にご紹介するタバコとの組み合わせで口臭を悪化させる食べ物・飲み物は、コーヒーや紅茶などに含まれる「カフェイン」です。
タバコとコーヒーをセットで楽しむ人は多いですが、カフェインの利尿作用とニコチンによる唾液量の減少は口内の乾燥を招き、口臭の原因となる細菌の増殖を促します。
また、カフェインと乳製品の両方を兼ね備えたカフェラテやミルクティーなどの飲み物は、口臭に拍車を掛ける最悪の組み合わせと言っても過言ではありませんので、タバコを吸う際は控えた方が良いでしょう。
タバコを吸うとなぜ口が臭くなるのか?口臭が発生するメカニズムをご紹介
タバコによる口臭を消す方法やタバコの口臭を悪化させる食べ物・飲み物をご紹介してきましたが、タバコを吸って口臭が発生するメカニズムも気になるところです。
タバコそのものの臭いが口臭の1つの原因であることは間違いありませんが、タバコの主成分であるニコチンの作用も口臭の発生に大きく関わっています。
口臭が発生する根本的な原因を理解することよって口臭を消す方法や予防策もイメージしやすくなりますので、ぜひ参考にしてみてください。
- ニコチンにより唾液の分泌量が減少する
- ニコチンにより口腔内の組織が損傷する
- タールにより口腔内に汚れが付着する
- 口腔内の環境悪化により細菌が増殖する
タバコが原因の口臭が発生するメカニズム①:ニコチンにより唾液の分泌量が減少する
唾液の分泌には自律神経が関係しており、ニコチンは唾液の分泌量を抑制する交感神経を刺激する成分です。
副交感神経の刺激によって分泌される唾液は水分量が多くサラサラしていますが、交感神経が刺激されることで分泌される唾液は水分量が少なくネバネバしているため、口腔内を充分に潤すことができません。
口腔内が充分に潤わない状態が続くと、唾液による自浄作用が弱まり細菌も繁殖しやすい状態となりますので、口臭の発生に繋がりやすいと言えるでしょう。
タバコが原因の口臭が発生するメカニズム②:ニコチンにより口腔内の組織が損傷する
ニコチンには血管収縮作用があり、口腔内の血流が低下することで細胞の代謝や修復が妨げられるため、口腔内の組織の損傷に繋がります。
口腔内組織の損傷は歯周ポケットでの細菌の繁殖を促し、歯茎の炎症や歯周病の原因にもなりますので、一時的な口臭では収まらない危険性を秘めていると考えられるでしょう。
歯周病による口臭は「腐卵臭」「腐った玉ねぎの臭い」「生ゴミのような臭い」とされており、タバコの臭いと組み合わさった時の不快度の高さは言うまでもありません。
タバコが原因の口臭が発生するメカニズム③:タールにより口腔内に汚れが付着する
タバコによる口臭を発生させる原因としてタールの存在も非常に大きいです。
タールには4,000種類以上もの化学物質が含まれているとされており、その中には生ゴミや糞尿などに含まれる臭い成分もありますので、タールが歯・歯茎・舌などに付着して悪臭が発生しない訳がありません。
またタールは油分の多さから粘度が高く、歯磨きなどで意識的にケアしないと落ちづらい性質があるため、タバコによる口臭を長引かせる要因でもあります。
タバコが原因の口臭が発生するメカニズム④:口腔内の環境悪化により細菌が増殖する
タバコによる口臭は、ニコチンやタールの効果によって口腔内の環境が悪化し、細菌が増殖してしまうことが最も大きな原因です。
口腔内の環境悪化の最たる例は唾液分泌量の減少で、口腔内の唾液が減ることで歯垢や食べかすを餌に細菌が増えやすくなり、口腔内の酸度を整えて口臭を抑えるバッファー作用も低下してしまいます。
唾液には食物の分解・消化を助ける作用のほかに、口腔内を殺菌する作用があります。ドライマウスによりこの働きが弱まると口腔内の細菌の繁殖を許し、口臭の原因となるのです。
出典:総合南東北病院
まずはタバコが口の中を乾燥させやすくするほか、口の中にネバネバの汚れを付着させるものであることを認識して、意識的な水分補給や非喫煙者以上のケアを行うことが口臭の発生への対抗手段と言えるでしょう。
タバコによる口臭が「ドブ臭い」と感じる理由と原因物質について解説
最後に、タバコによる口臭が「ドブ臭い」と言われる理由や原因物質について解説していきます。
「ドブ」と言えば汚水や下水が流れる水路のことを指す言葉であり、嗜好品であるタバコを嗜んだ後の残り香に対する比喩としては不名誉極まりない表現と言えるでしょう。
しかし、タバコとドブから発せられる物質にはいくつかの共通点があり、タバコによる口臭がドブ臭くなってしまう明確な理由もありますので、口臭が気になる人はぜひご覧ください。
タバコによる口臭の原因物質には揮発性の硫黄化合物が含まれている
口臭の主な原因物質は、メチルメルカプタン、硫化水素、ジメチルサルファイド(硫化メチル)などの揮発性の硫黄化合物です。
出典:Lidea
タバコによる口臭を発生させる原因物質には揮発性の硫黄化合物が含まれています。
- メチルメルカプタン
- 硫化水素
- ジメチルサルファイド
これらは口臭における「3大ガス」と呼ばれており、メチルメルカプタンは腐った玉ねぎのような臭いで硫化水素は腐った卵のような臭い、ジメチルサルファイドは生ゴミや便臭を発する物質です。
3大ガスは悪臭の約8割を占めると言われていますので、それらが全てタバコの口臭に含まれているというのは驚きの事実とも言えるのではないでしょうか。
タバコによる口臭の原因物質はドブの悪臭の原因物質と共通性がある
ドブの悪臭の原因物質を調べてみると、タバコの口臭の原因物質で名前が挙がったメチルメルカプタンや硫化水素が主要成分として挙げられます。
つまり、タバコによる口臭の原因物質とドブの悪臭の原因物質は共通しており、臭いのジャンルとしては同じと言える訳です。
タバコを吸っている本人は自覚していないケースが多いかと思われますが、原因物質が同じであれば発せられる臭いも同じですので、タバコによる口臭に対する「ドブ臭い」は非常に的を射た表現と言えるでしょう。
タバコが原因の口臭を消す方法および臭いがどれくらいで消えるかの解説まとめ
タバコが原因の口臭を消す方法や口臭のメカニズムを始めとし、タバコによる口臭が「ドブ臭い」と言われる理由についても解説してきました。
喫煙者側は口臭そのものを自覚していないか「そこまで臭くはないはず」と思っている傾向がありますので、腐卵臭や腐った玉ねぎの臭いや糞尿に含まれる成分の臭いを口から発しているという事実を理解することが口臭対策の第一歩と言えるでしょう。
また、タバコによる口臭を消す方法として最もシンプルなものは「禁煙」ですので、これを機に禁煙に踏み切ってみてはいかがでしょうか。